言葉を失うとき
- 2024.02.24 Saturday
- 15:30
映画『月』を観ました
文字通り、言葉を失いました
おそらく私にとって
一生忘れられない映画になると思います
「社会問題だ」とか
「皆が考えるべきことだ」とか
言葉にしようとすればするほど
この心が受けた衝撃と乖離してしまう気がして
何と言ったらいいか分からない
せめてこの映画を観た者の責任として
まだ観ていない人に対して
他人事にするような感想の言葉を伝えてはならない
そんなことを思いました
粒揃いの出演者
全員素晴らしかったと断言できるほど素晴らしかった
中でも個人的に印象深かったのは
オダギリジョーさんの巧みさ
あの危うい優しさと明るさが
映画を超えて
世界の均衡を保ってくれているように感じました
そしてやはり
磯村勇斗さんの凄みといったらもう
言葉になりません
器用で人当たりが良くて仕事熱心な好青年だった
あの死刑囚の
あの気持ち悪さ
何をどうしたらああなるのか
心の混乱は今も続いています
何かによって照らされる
見て見ぬふりをしてきた自分の思い
見たくないものを突き付けてくるのは
他人ではなく己自身
「向き合う」とか
「自分を見つめる」といった言葉を
安易に使わないようにしようと思わされた映画でした
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